身長216cm、体重148kg(一時期156kg)、靴のサイズは41.0cm。歴代のビッグマンたちを凌ぐ巨躯でありながら、それに似付かわない運動能力を保持したシャック(SHAQ)はまさに規格外だった。1994年マジックでNBAファイナルに進出し、全盛期のアキーム・オラジュワンにこてんぱんにされたことで「パワーだけでは勝てない」とスキルに磨きをかけたシャックだったが、逆に言えばパワーだけでNBAファイナルに進出したことになる。彼のトレーナーだったジム・コッタが言うには、彼は460kg以上のベンチプレスを上げられるらしい。圧倒的なパワーで相手センターゴール下まで押し込み、得意のパワーダンク「シャック・アタック」をお見舞いするというのが、誰もが見てきたシャックのお決まりのプレーだった。
シャックの出現により、ゴールの対衝撃機構は飛躍を遂げることになる。ダンクでバックボードを粉々にした猛者たちは今までにもいたものの、ゴールポストを根元から折った男は世界広しといえどもシャックだけだろう(うろ覚えだがゲームは2~3時間中断し新しいゴールが運ばれてきた)。今ではリングの根元はバネでしなるようになり、油圧式のゴールポストが揺らぐことはなくなったが、それはもしかするとシャックのお陰なのかもしれない。
2004年に8年間プレーしたレイカーズを去りマイアミ・ヒートに移籍。翌年の優勝以降はファイナルに進出することもなくなり、チームを転々とするが、移籍先では必ず会場を盛り上げた。2011年6月1日、自身のツイッターで19年にわたる現役生活からの引退を表明したシャック。投稿した動画では「俺達は、やったぜ。19年間だ、ベイビー。とても、感謝している。だから、みんなに一番先に伝えたい。引退することにした。愛しているよ。又な!」と明るくファンに伝えた。記者や親族が寛げるようにマイアミの自宅で行われた会見はシャックのNBAキャリアを振り返る素晴らしい時間となった。NBAで最もバスケットボールの感動を人々に伝えた選手はジョーダンだが、最もファンを楽しませた選手はシャックかもしれない。
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