高校時代から突出した才能を見せていたJRは、アーリーエントリーでニューオーリンズ・ホーネッツに入団。序盤はベンチスタートだったが後半はスターターに昇格し頭角を現した。そのシーズン出場したスラムダンクコンテストではドミニク・ウィルキンスへの敬意を見せたホークスのジョシュ・スミスが優勝することとなったが、身体能力と技術のどちらもJRの方が勝っていたように思う。優勝こそ逃したものの、ダンクコンテストは彼がNBAでも一握りの「飛べる」選手であることを人々に知らしめた。
類希ない身体能力とシュート力を持ったJRだったが、好不調の波が大きいため思うようにプレイングタイムを得られずフラストレーションを溜めた。またコート外でのありようなどでコーチやフロントから良く思われず、チーム関係者からは厄介者扱いを受けることもあった。「才能が発揮されずに消えていった選手」の一人になるかと思われたJRだったが転機が訪れた。ロックアウトにより中国リーグと契約していたJRがNBA復帰を果たしたチームは、彼の父がいつも応援していた古豪ニューヨーク・ニックスだった。
大型補強を行ったニックスをまとめあげたヘッドコーチ、マイク・ウッドソンとの出会いが彼を変えた。多くのチームでアシスタントコーチを経験してきたウッドソンは、引退していたラシード・ウォーレスに復帰する意欲を与えたように、選手に人間性を信頼されるコーチだった。JRはウッドソンを「第二の父親」と呼んでおり、ウッドソンはJRに高い目標を与えその後押しと挑戦する舞台を与えた。
本格的なウッドソン体制となった今季JRのプレーの変貌は目覚ましく、カーメロに並びニックスの流れを生みだしゲームを決めるビッグショットを沈めてきた。そして何より、コート内外で精神に余裕を感じられるようになった。「もっともっと俺に注目してくれ!」と大きなパフォーマンスで観客にアピールしていたJRの姿はなく、ビッグショットを沈めた後チームメイトの元に向かい笑顔を見せるようになった。また審判への抗議が殆どなくなり、先日行われたプレーオフの第一戦ではJRが空中でぶつかられファールに見えたプレーに審判はコールをせずプレーを続行。倒れたJRは床を叩いたがすぐに起き上がり全速力で戻りパスをカットした。また同試合コールが鳴らずにフラストレーションを溜めるかに見えた次のプレーで力強いダンクを叩き込み涼しい顔で自軍のゴールに戻った。
今やニックスを支える大きな柱となったJRスミスだが恐らくまだ成長は止まらない。今季のプレーオフでニックスが活躍すれば、来期JRがオールスターに出場することも夢ではないだろう。それだけの実力と華のあるプレーを彼はその身に秘めている。今後も彼の躍進に注目していきたい。
かっこ良すぎるぞJR!プリジオーニからの低めのパスをまさかリバースダンクで決めると誰が思ったことか!最優秀シックスマンおめでとう!
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