手術のためサンダーからウェストブルックいなくなった今、ブレイザーズがウェスタンの首位に立つ可能性は日々高まっている。ミドルレンジのジャンパーを次々と沈めるラマーカス・オルドリッチに、ビッグショットをことごとく決めるデイミアン・リラード。スタートの勢いはやや衰えたものの、両エースの奮闘によりペイサーズ、スパーズ、サンダーなど両カンファレンスのトップチームに勝利してきた。
オルドリッチとリラード、二人は恐らくオールスターにコーチ推薦で出場することになるだろう。だが、ブレイザーズには二人以外にもう一人欠かせない存在となる選手がいる。長身のフランス人FW、ニコラス・バトゥムだ。
身長203cm91kg。数値の通り、ユニフォームを着た彼はかなり細身に見える。しかし細く見えるのは215cmもあるウィングスパンが理由でもある。スコティ・ピッペンもそうだが、手の長い長身の選手は優れたディフェンダーの才能がある。バトゥムもそれに洩れず、相手のエースを抑えるストッパーの役割でチームを支えてきた。
それだけなら只ディフェンシブな選手だが、これまた同じく、彼はピッペンのようにオールラウンドな活躍が出来る選手である。今期のスタッツも平均13.5得点6.7リバウンド5.7アシストと、その活躍が分かり易く数字となっている。
バトゥムは言うならば接着剤のような存在の選手だ。スコアラーが二人もいるようなチームは得点のバランスが非常に難しい。結成当初のマイアミ・ヒートが顕著で、エース以外の誰も彼もがパスを探すチームが出来上がってしまう可能性がある。チームを上手く回すには、エースを無視してシュートを打つ選手が必要であり、今期のバトゥムはその役割を勝負所でこなしてきた。
文字にして改めて思うが、彼はピッペンに似ている。シーズンの成績も良いが、それよりインパクトのあるプレーが光る。シーズン36.1%とそこまで高くはない3Pシュートが、勝負所ではここぞとばかりに決まる。2013年11月2日のスパーズ戦では11得点11アシスト12リバウンド、1月9日のマジック戦では14得点14アシスト10リバウンドのトリプルダブルを記録した。今後もブレイザーズの躍進に欠かせない選手だろう。
ブレイザーズのシステムもあるだろうが、とにかく左サイドが強い。
特徴的なのはドリブルのペース。スピードに緩急を付けるのも良いが、バトゥムは逆に不自然な程まったく緩急がない。なので、どこで仕掛けてくるかのタイミングがディフェンダーには非常に分かり辛いと思われる。また、抜ききってるわけでもないのに点を獲られるので、シュートが入る限り手だてがあまりない。特別速く走らなくてもバスケが上手いお手本。息の長いタイプの選手。
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