2013/06/03

NBA雑談 PART.19 2013NBAイースタンカンファレンス第7戦

$ブザービーターのブログ

2013NBAプレーオフは明日大きな山場を迎える。王者マイアミ・ヒートと古豪インディアナ・ペイサーズのカンファレンスファイナル第7戦、NBAファイナルに進むための最後の戦いである。全てを出し尽くして戦うこの一戦は、今シーズン最も価値あるゲームとなるかもしれない。

昨期プレーオフでヒートから2勝を挙げたペイサーズだったが、王者を下す勢いや風格は感じなかった。堅牢なディフェンスを備えるものの得点力には難があり、現在のブルズのようなディフェンスだけが強いチームという印象を持たれていた。しかし今季ダニー・グレンジャーが怪我で欠場したことで、ペイサーズに必要だった明確な"エース"の存在が見えた。2010年ドラフト10位に指名され、2013年早々にオールスターに選出されたポール・ジョージである。シーズンの平均得点は17.4点だが、ヒートとのカンファレンスファイナルではここぞという場面で得点し、チームに勢いを付ける強烈なダンクや3Pショットを見せている。さらにプレーオフでは平均得点を19.9点にまで上げ、第5戦では27得点、第6戦では28得点と上り調子である。またディフェンスでもリーグ屈指のスコアラーたちを押さえ込む能力があり、セミファイナルでは今季得点王のカーメロ・アンソニーのリズムを崩し、ここまで怪物レブロン・ジェームズと互角にやり合うタフネスとスタミナを持つ希有な存在である。第7戦は彼が大きな鍵となるだろう。

先にファイナル進出を決めたサンアントニオ・スパーズは秀逸なカバーディフェンスのシステムを持っているが、ペイサーズはチームディフェンスのシステムというよりか、各選手のディフェンスに対するストイックな姿勢が堅守を生み出しているチームである。中でもペイサーズ最後の砦、218cmのロイ・ヒバートの存在は大きい。今シーズンはスモールラインナップを好むチームが多かったが、プレーオフに入れば軒並み姿を消していった。カンファレンスセミファナルまで進出したチームは、ヒートを除けば全てリーグを代表するような要となるビッグマンが存在する。ヒバートもその一人であり、彼がカバーディフェンスに待ち構えるだけでボールマンはコースを大幅に制限されてしまう。またリバウンド、特にオフェンスリバウンドは目を見張るものがあり、ペイサーズのオフェンスを語る上でなくてはならない存在と言える。

昨期王者のマイアミ・ヒートだが、このところベテランやチームの中心選手が力を発揮できないでいる。シェーン・バティエは3Pシュートの不調に苦しみ、レイ・アレンは勝負所でのシュート力に疑問が出てきている。レブロンと並びビッグ3と呼ばれたボッシュ、ウェイドだが、どちらの選手もこのところ10点前後の得点しか挙げておらずチーム不振の大きな要員となっている。全体を支えるために奮起するレブロンだが、このところプレイングタイムは伸びる一方であり殆どフルクオーターゲームに出ているように思う。レブロン一辺倒になればなる程チームは弱体化していき、これはキャバリアーズ時代と同じ流れを感じなくもない。只、調子を上げれないでいるメンバーが復調すればペイサーズは太刀打ちできないだろう。昨期はファイナルでバティエやマイク・ミラーが調子を上げたことでサンダーを下す結果となった。そして何より、彼らは連覇を狙う王者なのだ。

明日の第7戦、ヒートの鍵は第6戦出場停止となっていたクリス・アンダーセンの起用法にある。本来プレーオフ直前で補強したような選手がここまでチームの核となってしまうのはあまり好ましいことではない。シーズンで築いてきたチームケミストリーに歪みが生まれてしまうためだ。アンダーセンの活躍によりチームは勢いづいたように見えるが、これまでチームを縁の下で支えていたウドニス・ハスレムのプレイングタイムが減少している。静かに熱く燃え続ける彼のようなハッスルプレーヤーが必要不可欠であり、フランチャイズプレイヤーであるハスレムを起用していなかったことが悔やまれる結果になるのではと心配である。

ペイサーズの鍵は第6戦前夜に高熱を出しオフェンスでまったく活躍できなかったデイビット・ウェストである。彼のインサイドでの得点とヒバートと並ぶオフェンスリバウンドはペイサーズオフェンスの要であり、その活躍なくしてマイアミを破ることは難しいだろう。逆に彼とポール・ジョージ、ロイ・ヒバートが得点面でも活躍できればファイナル進出は濃厚だろう。

イースタンの王者が決まるこの一戦を是非見逃さないで頂きたい。


激闘の幕開けとなった第1戦。この勝負でインディアナがマイアミと互角の勝負ができることが証明されました。

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