独特な複数のルーティーンを守り続けることで有名な「JET」ことジェイソン・テリー。
昨年ボストンに移籍して腕にセルティックスのロゴを彫り込んだばかりだというのに、来季はブルックリン・ネッツでプレーすることになった。普通ならここで「俺はなんてことをしてしまったんだ」と多少なりとも後悔するのだろうが、ジェットはきっと「じゃあ次はネッツのロゴを彫ろうか」と考えているだろう。彼はなかなかの変わり者なのだ。
NBAではもう殆ど目にしないハイソックスを愛用するジェットだが、そのルーツは彼が幼い頃に見た雑誌の影響らしい。10人兄弟の1人としてシアトルで生まれ育ったジェットは、雑誌で見たシアトル・スーパーソニックスのスリック・ワッツに憧れてハイソックスを履くようになったとのこと。だが注目すべきはそのハイソックスの下である。
にわかには信じられない、かつ有名な話だが、ジェットはなんと靴下を5枚も重ね履きしてプレーしている。ダラスでチームメイトだったダーク・ノヴィツキーは「あいつは28cmしかない足に靴下を5枚も履かせて32cmのシューズを履いているんだ。信じられないよ」と話していた。ジェット曰く「バスケットボールをやろうにも10人兄弟だから自分のバッシュなんて買って貰えなかった。だから兄のお下がりを履くために靴下を5枚重ねて履くようになったのさ!」ということらしい。
これも有名な話だが、ジェットは試合前日、マークマンになるであろう相手選手のゲームショーツを履いて眠る。これは彼がアリゾナ大学時代に、NCAAトーナメント決勝の前夜にユニフォームを着て寝たことが発端となった。NBAに入ってからはそれが相手選手のユニフォームになり、今では全てのチームのショーツを持っている。
気になるショーツの入手方法だが、「リーグの75%が友達だから譲ってもらえる。けれど相手が残りの25%だった場合は、用務員に120ドル握らせて手に入れるんだ。誰に握らせたかは言えないぜ!」だそうだ。クリーンなイメージを推すNBAにおいてここまで大っぴらに面白い選手は他にいない。
アリゾナ大学からのもう一つの習慣で、試合の前は必ずチキンを食べる。ゲン担ぎに必ず同じものを食べる選手はそれなりにいるのでこれは特に話が膨らまない。とにかく、彼からは自分のペースで人生を楽しんでいることが伝わってくる。私がジェットのファンである理由はその部分が大きい。
優勝が決まる前にチャンピオンリングを彫り込んだりと、アメリカ人の中でもぶっ飛んだ決断をするジェット。オールスターに出る選手ではないが、彼のことが心から大好きだと断言できるファンの数はスタープレーヤーにも劣らないのではと思う。
大前提としてジェットはリーグ屈指のガードプレーヤーであり、どのチームでも重要な存在になれる。ゲームメイクができると同時に平均20点近い得点力も備える。何よりも、勝負の際を感じ流れを呼び込むためのプレーを実行できる精神力がある。2010-11NBAファイナルでは、レブロンの目の前で試合を決定付ける3Pを沈めて見せた。
レイ・アレンに似たところがあり、彼の3Pも只の3点とは思えない盛り上がりを起こす。それは勝負どころで3Pを沈めてきた記憶の蓄積があるからであり、才能豊かなシューターのステフォン・カリーでもまだ身に着けていないベテランシューターならではの力である。膝の手術を乗り越えたジェットがブルックリンであのポーズを決めるときは来るのだろうか。これを読んだ人には是非チェックしてもらいたい。
Googleで「jason terry」と検索すると、予測ワードに「jason terry dead」と表示された。ジェットが死んでしまったのか!?と驚いたが、昨季ダンクに向かったレブロンに吹き飛ばされて仰向けになった写真を使った画像で溢れかえっていた(笑) そんなネタにしたんな!!(笑)
ビッグプレーを実行できるというのは才能に尽きると思います。慣れもあるでしょうが「ここぞとばかりに決めてやるぜ」と思えてしまう選手に緊張はないでしょう。ジェットまさにそんな選手だと思います。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
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