ブルズを盛り上げに盛り上げたデリック・ローズ、サンダーの野性的爆弾ラッセル・ウェストブルック、ミスターダブルダブルのケビン・ラブ、インディアナの巨人ロイ・ヒバート、アニメ兄弟の兄ブルックロペスなどなど、2008年ドラフトは複数のオールスター選手を生み出した豊作の年と言える。
その中で、ローズを抑え1位指名を受けるのではと噂され、1位ではなかったものの堂々の2位指名を受けた男がいた。後にどころか新人時代からNBAの問題児だったスモールフォワード、マイケル・ビーズリーだ。
鳴り物入りでマイアミ・ヒートでのNBAキャリアをスタートしたビーズリーは、即戦力として開幕から先発出場。新人とは思えぬ得点力で活躍を見せた。しかし得点力の反しディフェンスはお粗末。体調不良での欠場からスターターを外れ、その後はベンチスタートでの起用となる。それでも、昨シーズンリーグ最下位の成績で地に落ちたヒートをプレーオフ出場にまで立て直す一つの要因となった。
ヒートをやや立て直したビーズリーだったが、マイアミBIG3時代突入と共にウルブスへトレード。それなりに活躍し、2012年サンズと契約。そこでもそれなりの活躍だったが、ドラフト2位の評価と契約金を考えると働きは今一つだった。そしてかねてから彼の問題だった、かつサンズを解雇される要因となる事件が起きた。
2013年8月6日、ビーズリーは麻薬所持の容疑で逮捕された。残念なことに、ビーズリーの薬物問題はそれが初めてでなくルーキーシーズンから頻発していた。
2008年ルーキーキャンプ中、同じくルーキーだったマリオ・チャルマーズとダレル・アーサーが女性二人を部屋に呼びマリファナを吸引したという容疑が掛かった。それにビーズリーが関与していたとしてリーグから罰金処分を受ける。2009年ビーズリーはヒューストンのリハビリセンターでストレス関連のカウンセリングを受けたが、そこには薬物問題も関与していたとの噂もある。2011年スピード違反で停車させられたビーズリーの車からマリファナの入ったビニール袋が見つかった。2013年交通違反で停止後に車内から麻薬を押収。度重なる薬物問題によりビーズリーはサンズを解雇された。
とにかく印象の悪いビーズリーだが、悪というより子供のまま成長できていないといった印象を受ける。
彼は高校時代トータルで6つの高校に通った。それは日本でありがちな親の転勤等でなく、彼の過剰ないたずらによる退学が原因だったらしい。オークヒルアカデミー高校では「誰が一番学校内のものに自分の名前を落書きできるか」という賭けをチームメイトと行い、教師の車に自分の名前を書き「もう戻ってくるな」と学校から退学のお達しを受けたらしい。
ビーズリーのいたずらは学校のみに留まらず、家でも常にいたずらをしていたそうだ。彼の母は「ビーズリーがバスケットボールの道を選んだことを神に感謝している。彼がしょっちゅう家族にいたずらするので、自分の時間が持てなかった。彼がバスケットボールをしている間、家には平穏がおとずれた」と語ったそうだ。しかし母曰く悪気があるわけではないらしい。
恐らく無邪気なのだと思われる。彼はスポンジボブが大好きだったそうで、毎日録画していたらしい。彼とチームメイトの相部屋はスポンジボブで飾り付けられおり、枕、布団、風呂の敷物、タオル、全てスポンジボブの柄が入っていたそうだ。ダンクコンテストではスポンジボブの帽子をかぶって優勝したこともあるとのこと。
今オフシーズンも精神的に不安定で、Twitterに「生きる価値がない」や「世界中の人々が俺に敵対している」などの文章を投稿したビーズリーだったが、リハビリセンターに入所し、その後古巣のヒートに舞い戻った。サンズ時代の約6分の1である最低年俸かつプレイヤーオプションなし、最も厳しい契約条件をビーズリーから提案したらしい。彼は金銭に重きを置かず、自己を確立するためにヒートとの契約を望み、ヒートも全面的にサポートする姿勢を示した。
どうだどうだと言われたビーズリーだったが、プレシーズンではそれなりの活躍を見せている。また、彼はまだ24歳である。自分を変える時間は十分にあり、彼もそれを望んでいるなら良い結果が産まれるだろう。今後もこっそり彼の動向を見ていきたい。
42得点のゲームですが、何故彼はシュートを決めた後上ばかり見ているのか。自分のハイライトがモニターに写るのをいちいちチェックしているのでしょうか。どんな理由にせよ相手を見なさいよビーズリーさん。
得点シーンを見て思いますが、彼を過大評価していた周囲にも問題がありますね。アウトサイドが入らなければそこまで得点は伸びないでしょうし、チームが勢いづくタイプの点の取り方でもない。シックスマン以降の立ち位置で真価を発揮しそうなタイプかと思います。たぶんヒートならそのポジションで働けるでしょう。
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