13年連続シーズン50勝以上、15年連続プレーオフ進出、NBA制覇4回。名将グレッグ・ポポビッチ率いるサンアントニオ・スパーズは今季ウェスタン・カンファレンスファイナルに駒を進めた。十中八九NBA殿堂入りを果たすポポビッチだが、彼もまたフィル・ジャクソンやパット・ライリーといった名将に並ぶ強烈な個性を持っている。
ジェネラル・マネージャーとヘッドコーチを兼任するポポビッチはチームの人事権を握っているため、自身の打ち立てたチーム方針に従わない選手は容赦無く切り捨てる。デニス・ロッドマンは歴代最高のリバウンダーだったがチームカラーに合わずタダ同然でシカゴにトレードした。今季は出場時間に不満のあったスティーブン・ジャクソンをプレイオフ直前で解雇。ジャクソンは2002年にスパーズで優勝したメンバーであり、主力ではなかったものの十分な活躍を見せていた。このような采配を無茶だと言う人間もいるが、複数回に渡りNBAで優勝するヘッドコーチは普通ではあり得ない。優勝に必要になのは確固たるチーム方針であり、事実ポポビッチは結果を出している。
確固たるチーム方針と書いたが、戦術においてポポビッチは高い柔軟性を持っている。優勝を果たした当時のチームスタイルはディフェンス主体であり、鉄壁のデトロイト・ピストンズと熾烈な優勝争いを繰り広げるレベルにあった。しかし、現在のスパーズはオフェンス主体のチームになっている。優勝時と変わらずハーフコートバスケットが主体ではあるが、リーグ屈指のビッグマンを揃えるグリズリーズ相手にはファストブレイクの多い展開を見せた。オフェンス主体となったためかターンオーバーが増えたが、強固だったカバーディフェンのシステムは健在。プレーオフで爆発的に成長した3Pシューターのステフォンカリーをセミファイナルでは要所で抑え込むことに成功。今日行われた第1戦ではグリズリーズのファーストオプションであるザック・ランドルフを僅か2得点に抑え込んだ。
ゲーム中に選手を激しく叱責し、チームが負けようが主力選手をコートに立たせないこともある。そのため冷徹で恐れられている印象を持たれるが、ゲームの外では思わず笑ってしまうユーモアを見せる。定かではないが、NBAの面白映像集ではドッグ・リバースと並び最も多く登場するヘッドコーチではないだろうか。最近になってジョーク好きのポポビッチが取り上げられるようになったが、これはずっと以前からの彼の個性である。スパーズに加入するための条件としてポポビッチは「ユーモアがあるかどうか」と言い記者の笑いを誘ったこともある。
ただ恐ろしい機械のような人間なら人が付いて来るはずがない。ポポビッチと同じく実は面白映像集によく登場するティム・ダンカンだが、今シーズン彼に対しスパーズは3年の契約延長を提示した。契約額は54%の減俸となったが、37歳のダンカンには最低年俸のベテランズ・ミニマムを行使することも出来る。ダンカンの実力は今尚リーグ屈指ではあるが、故障の心配のあるベテラン選手と複数年契約を結ぶリスクを考えれば、この契約が多少なりとも人情の含まれたものであることがわかる。
ダンカンの年齢を考えるなら今季は是が非でも優勝を手にしたい今シーズン。円熟したベテランたちと若手の勢いを備える強豪を是非注目してもらいたい。
うろ覚えですが、NBAにおいて特派員はゲーム中に2つまで質問が許されています。チャックはそれを忘れて3つ目の質問をしようとしたところ、ポップが「これは3つめの質問じゃないか?違うか?2つ答えなかったか?」とわざとらしく捲し立てて質問を遮り、「私が悪かった」と苦笑いで退散するチャックに大げさに「I love you」と言ってます(笑) わからない部分があるので不確かな内容ですが、チャックにこんな態度を取るのはポップぐらいですね(笑)
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